読みもの
いつものことばを、
もう一度みつめてみる。
「みる」「きく」「ふれる」。
私たちが毎日のように使っている、
とても身近なことばです。
漢字で書けば、それぞれに違う意味があるように見えます。
けれど、いったん漢字を離れ、
やまとことばの一音一音からほどいてみると、
その奥に通じている、ひとつの働きが見えてくることがあります。
「みる」とは、何をしていることなのか。
「きく」とは、耳で音を聞くことだけなのか。
「ふれる」とき、私たちは世界とどのように関わっているのか。
身近なことばを見つめていくことは、
やがて、
自分が世界をどう見て、
どう感じ、どう関わっているのか
を見つめることにつながっていきます。
まずは、いつも使っていることばから。
やまとことばの世界を、少しずつたどってみてください。
名前は、
人生でいちばん身近なことばのひとつ。
生まれてから今日まで、
私たちは何度も自分の名前を
呼ばれ、名乗り、 生きてきました。
名前は、自分だけのもののようでいて、
人との関わりの中で使われ続けることばです。
自分と世界のあいだにある、とても特別なことば。
だからこそ、その名前を一度、
漢字だけではなく「音」から見つめてみる。
やまとことばの一音一音から名前をほどき、
その響きと、自分が歩んできた人生を重ねてみる。
そこから、
自分は何を大切にしているのか。
どんなふうに人と関わっているのか。
これから、どう生きていきたいのか。
そんな問いが、少しずつ見えてきます。
自分の名前を見つめることは、
自分の人生を、もう一度見つめること。


神々の名を、ほどく。
名前から、
その存在の「はたらき」を見ていく。
『古事記』の冒頭には、
天之御中主神をはじめ、さまざまな神々が名を持って現れます。そして神々の誕生は続き、やがて伊邪那岐神、伊邪那美神へとつながっていきます。
私が学んできた大和言葉の「音義」では、
こうした神々の名を構成する一音一音から読みほどいていきます。すると、そこから見えてくるのは、単なる名前の意味だけではありません。
その神が、何をする存在なのか。
この世界の中で、どのようなはたらきを担っているのか。名を音からほどくことで、その存在の役割を考えることができます。
ここに、名をほどくことにつながる
大切なきっかけ、手がかりがあります。名前は、ただ存在を区別するための呼び名ではなく、
その存在が、どう在り、どう働くのかを考える入口にもなる。では――
神々の名から、そのはたらきを見つめることができるのなら、
私たち自身の名前は、どうでしょう。生まれてから今日まで、
何度も呼ばれてきた自分の名前。その一音一音をほどいていったとき、
自分のどんな持ち味や、関わり方、
生き方や役割が見えてくるのでしょうか。
神々の名から、そのはたらきへ。
自分の名から、自分の生き方へ。
では、自分の名をほどくと、
何が見えてくるのでしょう。
名前を一音一音からほどくとき、その音の意味だけを見て
「あなたはこういう人です」と断定するようなことはしません。
一音一音から見えてくるものを手がかりに、
これまでどんなことに心が動いてきたのか。
どんな場面で、自分らしく力を発揮してきたのか。
人とどのように関わってきたのか。
自分が実際に歩んできた人生と重ねながら、
「これは、自分のどんなところに表れているだろう」
と見つめていきます。
すると、名前から一方的に答えを与えられるのではなく、自分では当たり前すぎて気づいていなかったことや、これまで繰り返し大切にしてきたものが、少しずつ言葉になっていくことがあります。
ここで見つめていくのは、性格を分類するための答えではありません。
自分は、どんなふうに世界を見ているのか。
どんな持ち味を持ち、その力をどう使い、人とどう関わり、これからどう生きていきたいのか。
名前を手がかりに、自分自身をいくつかの角度から見つめていきます。
01|ものの見方・感じ方
何に心が動くのか。
物事をどのように感じ、どこに目を向けるのか。
名前の音から、
その人ならではの感性や、世界との向き合い方を見つめます。
02|持ち味
無理をしなくても自然にできること。
人から頼られたり、自分らしさが表れたりするところ。
自分では当たり前すぎて気づかなかった力が、
名前の音を手がかりに見えてくることがあります。
03|力の使い方
同じ力を持っていても、
それをどこへ、どのように使うかは人によって違います。
前へ進める。整える。結ぶ。深める。広げる。
名前の音と人生を重ねながら、
自分らしい力の使い方を考えていきます。
04|人との関わり方
人とどのようにつながり、
どんな関係の中で自分らしくいられるのか。
名前の音を手がかりに、人との関わり方を見つめます。
名前は、自分と世界のあいだにあることばでもあります。
05|これからの生き方・在り方
最後に見つめるのは、
「この名前を持つ自分が、
これから何を大切に生きていきたいのか」
ということ。
名前から未来を決めるのではなく、
名前の響きと、これまでの人生を重ねながら、
これから大切にしていきたいものを、
自分自身の言葉にしていきます。
名前を知ることから、その名を生きることへ。
名をほどくことで大切なのは、
名前の意味を知って終わることではありません。
自分の名前の響きを知る。
その響きと、自分の人生が
どこで重なっているのかを見つめていく。
そして、そこに見えてきた
自分の持ち味や、大切にしてきたものを、
これからの人生の中で生かしていく。
それが、私が考える
「その名を生きる」ということです。
古事記の解釈の正統性や、名前だけで人の本質を証明することを主張するものではありません。
一貫した音義の体系を、人と人生を見つめる手がかりとして用いるものです。
自分の名を、
もう一度見つめてみる。
人生には、
一度立ち止まって、
自分自身を見つめてみたいときがあります。
自分の持ち味を、もっと知りたい。
これからの生き方を考えたい。
人との関わり方を見つめ直したい。
これまでの経験と、自分の役割をつなげてみたい。
自分の名前を、もっと自分のものとして生きたい。
そんなとき、
ずっと自分とともにあった「名前」から、
自分を見つめてみることができます。
何かを変えるためではなく、
すでに自分の中にあるものを、
あらためて見つめるために。


答えを告げるのではなく、
一緒に見つめていく。
名前をほどくときは、
まず、お名前を一音ずつ見ながら、
それぞれの音が持つ意味や働きをたどっていきます。
そして、そこから見えてくるものを、
これまで歩んできた人生と重ねていきます。
「これは、自分のどんなところに表れているだろう」
「この経験と、どこかつながっているだろうか」
「人との関わりの中では、どうだろう」
そんな問いを一緒にたどりながら、
自分では当たり前すぎて気づいていなかった持ち味や、これまで大切にしてきたものを、少しずつ言葉にしていきます。
名前が、あなたを決めるのではありません。
名前を手がかりに、あなた自身が、これまでの人生を見つめていく。
そして最後には、
「この名前を持つ自分として、
これから何を大切に生きていきたいのか」
というところまで、一緒に考えていきます。
名をほどき、自分を知り、これからを考える。
そんな時間を、一人ひとりと丁寧につくっています。
音をほどく
一音一音の意味や働きを見ていく。
人生と重ねる
これまでの経験や、
自分自身の感覚と照らし合わせる。
その名を生きる
これから大切にしたい生き方を、
自分の言葉にしていく。
名前の響きを、あとからも振り返れるように。
お名前を一音ずつほどきながら見えてきたことを、
あとからも振り返れるように、「名ほどき帖」にまとめてお渡しします。
一音一音が持つ意味や働き、名前全体から見えてきたこと。その場で聞いて終わるのではなく、
日々を過ごす中で、
「このことだったのかもしれない」
「ここにも、自分の名前と重なるものがある」
と、あらためて気づくこともあります。
名前をほどくことは、
一度で答えを出して終わるものではありません。
自分の人生と重ねながら、何度でも見つめ直していく。「名ほどき帖」が、そのための小さな手がかりになればと思っています。



名をほどくと、
これまでの自分が、少し違って見えてくる。
名をほどく体験した方からは、
「名前と、これまでの人生が重なって見えた」
「自分の持ち味を、あらためて知ることができた」
「これから大切にしたいことが見えてきた」
そんな声をいただいています。
名前から答えを与えられるのではなく、
自分の中にすでにあったものに気づいていく。
実際に名ほどきを体験した方の言葉をご紹介します。
和やかな時間の中で、自分の在り方に気づけました
40代女性|個人|名前をほどく時間
普段はあまり意識していなかった名前に込められた意味が、今の自分の性格や在り方と重なっていて驚きました。和やかで楽しい雰囲気の中で、自分自身がこれから意識していきたいことにも気づくことができ、心に残る鑑定になりました。
子どもの感情を、しっかり受け止めようと思えました
40代女性|関係性|ふたりの名前を見つめる時間
子どもの名前の意味を知ることで、活発さや感情の強さを、その子の大切な持ち味として見られるようになりました。時々感情を爆発させる場面にも、ただ困るのではなく、しっかり受け 止めることを意識して接していこうと思えました。
今の仕事を、もっと深くやっていこうと思 えました
40代女性|個人|名前をほどく時間
自分の氏名が、今やっていることと驚くほどつながっていて、この仕事をこれからもっと深くやっていこうと思えました。さらに家族の名前も見てもらったことで、どう関わればよいかのヒントも得られ、実生活に生かしていきたい気持ちになりました。
※掲載しているご感想は、実際に体験された方の個人的な感想です。感じ方や気づきは、お一人おひとり異なります。
受け継いだ音義を、
一人ひとりの人生へ。
山本幸臣です。
仕事で日本各地を訪れる中で、
その土地の自然や歴史、文化に触れ、
「日本人は、どのように世界を見てきたのだろう」
という問いを持つようになりました。
その問いから、年中行事や『古事記』、
そして、やまとことばへと学びを深めてきました。
その中で出会ったのが、
日本語の一音一音に意味や働きを見ていく「音義」という考え方です。
林英臣先生から、発声の仕組みを手がかりにした音義と、その音義から『古事記』に登場する神々の名を読む方法を学んできました。
『古事記』の神々の名を一音一音から見ていくと、
その神がどのような働きを担う存在として語られているのかが見えてきます。
では、私たち自身の名前はどうでしょう。
名前は、生まれてから今日まで、
何度も人から呼ばれ、
自分自身も何度も名乗ってきたことばです。
自分を指し、
人と自分を結びながら、
ずっと人生とともにあったことばでもあります。
だからこそ、その名前を一度、
漢字だけではなく「音」から見つめてみる。
一音一音をほどき、
そこから見えてくる意味や働きを、
その方が実際に歩んできた人生と重ねてみる。
それは、名前の音からその人がどういう人なのか答えを探すためではなく、
「この音は、自分のどんなところと重なるだろう」
「これまで大切にしてきたことと、どこかつながっているだろうか」
そんなふうに名前を手がかりにして、
自分自身をあらためて見つめていくためです。
その中から、
自分は何を大切にしてきたのか。
どんなふうに人と関わってきたのか。
どんな資質を発揮して生きてきたのか。
これから、どんな自分として生きていきたいのか。
それを、その方自身の言葉で考えていく。
名をほどき、その名を生きる。
私は、そんな時間を一人ひとりと丁寧につくっていきたいと思っています。






