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【特集|言霊を読み解く】
「言霊」とは、本当に「口にしたことが現実になる」という意味なのでしょうか。
『万葉集』『古事記』の原文や研究論文を手がかりに、古代日本人がことばをどのように捉えていたのかを、史料から確認できることと後世の解釈を分けながら読み解きます。


朝日新聞「ことば係」で、やまとことばの「ま」についてお話ししました
記事では、記者の方から「唐突に好きな言葉は何か」と聞かれ、迷わず「ま」と答えたことから話が始まっています。
私たちは日常の中でも、
「間(ま)をとる」「間がいい」「間に合う」
など、「ま」という言葉を自然に使っています。
記事の中では、私から、
「ま」が、空間を示す言葉であるとともに、時間も表すのが面白い
というお話をしました。
8月18日読了時間: 2分


折口信夫は「言霊」をどう考えたのか?―「一語一語に霊が宿る」という理解を問い直す
「日本人は昔から、一つ一つの言葉に言霊が宿ると考えてきた。」
言霊について語るとき、そんな説明を耳にすることがあります。
私自身、やまとことばの一音一音の意味を学び、名前を読み解く活動をしているため、折口信夫の言霊論には以前から強く惹かれてきました。
そして以前この記事を書いたときには、折口の言霊観と、私が学んできた「やまとことば音義学」との間に、かなり直接的なつながりがあるように考えていました。
けれども、改めて折口自身の文章を読み直してみると、そう簡単には結びつけられないことが分かりました。
むしろ折口は、
「一語一語に精霊が潜んでいる」と考えること自体を、明確に退けています。
これは、やまとことばの一音一音を読み解いている私にとっても、無視してはいけない重要な指摘です。
では折口信夫は、「言霊」をどのようなものとして考えていたのでしょうか。
そして、その考え方は、やまとことば音義学とどこが重なり、どこが異なるのでしょうか。
折口自身の文章を手がかりに考えてみます。
8月14日読了時間: 8分


「言霊の幸はふ国」とは?『万葉集』に残る三つの「言霊」を読み解く
日本は、「言霊の幸はふ国」である。
言霊について調べていると、よく目にする言葉です。
「日本では昔から、言葉には力があると信じられてきた」「良い言葉を口にすれば、良いことが起こる」
そんな説明とともに紹介されることもあります。
けれども、「言霊の幸はふ国」という言葉が実際にどのような場面で詠まれたのかを『万葉集』まで遡ってみると、少し違う景色が見えてきます。
実は、『万葉集』の中で「言霊」という語が確認できるのは、わずか三例です。
奈良県立万葉文化館と國學院大學のデータベースは、ともに巻5・894、巻11・2506、巻13・3254の三例を挙げています。
しかも、その三つは同じ場面ではありません。
一つは、危険な海を越えて唐へ向かう人の無事を願う歌。
一つは、恋の行方を占う歌。
そしてもう一つは、旅立つ人に「無事でいてほしい」と言葉を送る歌です。
たった三つの用例を、その文脈ごと丁寧に読んでみると、「言霊=ポジティブな言葉で願いを叶える力」という現代的な説明だけでは捉えきれない、古代のことば観が浮
8月14日読了時間: 10分


言霊とは何か?古事記・万葉集から読み解く日本人の言語観
「言霊(ことだま)」という言葉を聞くと、
「口にした言葉には力があり、言ったことが現実になる」
という意味を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「ありがとうと言えば、よいことが起こる」
「悪い言葉を使うと、悪いことを引き寄せる」
現代では、こうした意味で「言霊」が語られることもあります。
けれども、古い文献をたどっていくと、もう少し複雑で、興味深い世界が見えてきます。
実は、『古事記』には「言霊」という言葉そのものは出てきません。
では、なぜ『古事記』と「言霊」は結びつけて語られてきたのでしょうか。
この記事では、『万葉集』に残された「言霊」の用例を確認したうえで、宗教学者・岸根敏幸氏の研究論文「古事記神話と言霊信仰」を手がかりに、『古事記』の神話に描かれた
「ことばと現実との関係」
を考えてみます。
8月14日読了時間: 11分


「間(ま)」は、なぜ時間と空間の両方を表すのか?――やまとことばから考える日本人の時空観
「間(ま)」という言葉を、私たちは日常のさまざまな場面で使っています。
たとえば、
「間取り」といえば、空間のこと。
「間合い」といえば、人や物との距離。
ところが、
「束の間」といえば、短い時間を意味します。
同じ「ま」という一音が、空間にも、時間にも使われている。
普段は何気なく使っていますが、よく考えてみると不思議なことです。
なぜ日本語では、時間と空間という異なるものを、同じ「ま」という言葉で表してきたのでしょうか。
今回は、やまとことばの「ま」を入口に、日本語の中にある「時間と空間」の捉え方について考えてみたいと思います。
2025年11月18日読了時間: 7分


「名前に響く創世の言霊」——『私の神話を語る会』に登壇しました
10月5日、東京都調布市にある映像シアターで開催された『私の神話を語る会 〜時空を超えて繋がるもの〜』に登壇してきました。 タイトルは「名前に響く創世の言霊」。 驚きや感動の息遣いを、そのまま響きにした自然発声音―― やまとことばの一音一音の響きには意味が宿っています。 江戸期に発展した国学の学者たちの学統を丁寧に継いだ音義の探究から読み解くと、一説には1000年以上もの間、十分に理解されてこなかった『古事記』冒頭に並ぶ御神名が、じつは宇宙の創世から始まる壮大な物語を語り出すことが見えてきます。 御神名は「神の姿」ではなく、作用や働き=役割や使命を表していたのです。 そして同じように、私たちの名前を読み解くと――そこにも人生における役割や使命が浮かび上がってきます。 自分の名前の響きを今一度しっかりと受け止めることは、今この時代に日本に生まれてきた自分の役割を全うして生きることにつながる。 そんな“響きの旅”を、20分ほどのスピーチでご一緒してまいりました。 講演会、鑑定会などイベントへの出演も承ります。お気軽にご連絡くださいませ。
2025年10月6日読了時間: 1分


「自分の名前が、少し好きになりました」——26名のお名前を読み解いて感じたこと
「なんだか、泣きそうです」 「当たりすぎていて、ちょっと怖いです」 イベントで26名の方のお名前を読み解かせていただいた際に、そんな言葉をいただきました。 とはいえ、 「名前から、その人のすべてが分かる」ということではありません。 読み解かせていただきながら印象に残ったのは、お名前の響きをきっかけに、その方自身がこれまでの人生を振り返り、 「ああ、確かに私は、こういうことを大切にしてきたかもしれない」 「だから、あのときあんなふうに感じたのかな」 と、自分自身を少し違った角度から見つめ始める瞬間でした。 名前を「当てる」のではなく、名前から自分を見つめてみる やまとことば姓名鑑定では、お名前をひらがなの一音一音にひらき、それぞれの音が持つ意味や響きを読み解いていきます。 ただし、 「この名前だから、あなたはこういう性格です」 「この名前には、こういう運命があります」 と、その人を名前の音の意味だけで断定するようなものではありません。 同じ名前を持っていても、生まれ育った環境も、出会った人も、経験してきたことも違います。 だからこそ大切なのは、名前
2025年9月17日読了時間: 4分


名前をつけると、世界の見え方は変わる?――心理臨床の「命名」から考える、名前の力
私たちは、生まれたときから「名前」のある世界に生きています。
人にも名前がある。
動物にも、植物にも、土地にも名前がある。
そして、まだ名前のないものに出会うと、
「これは何?」
と尋ねます。
子どもの頃、誰もが何度も繰り返した問いです。
「あれは犬だよ」
「これは桜だよ」
「ここは海だよ」
名前を知ると、それまで「よくわからない何か」だったものが、急に輪郭を持ち始めます。
そして一度名前を知ると、次に出会ったときには、
「あ、犬だ」
「桜が咲いている」
と、その存在を見つけられるようになる。
では、私たちにとって「名前をつける」とは、いったい何をしているのでしょうか。
この問いについて、心理臨床という少し意外なところから考察した興味深い論文があります。
2025年4月18日読了時間: 8分
そして、もっとも身近な「やまとことば」は、
自分の名前です。
私たちは、生まれてから何度も何度も自分の名前を呼ばれ、その音とともに生きています。
やまとことば姓名鑑定では、その名前を一音ずつ読み解きながら、自分の持ち味や役割を見つめていきます。
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