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ことばを知ると、
世界の見え方が少し変わる。
やまとことば、日本語の音、古事記、名前。
私たちが何気なく使っている「ことば」の奥にある世界を、研究や文献も手がかりにしながら読み解いていきます。
【読みものカテゴリ】
【特集|言霊を読み解く】
「言霊」とは、本当に「口にしたことが現実になる」という意味なのでしょうか。
『万葉集』『古事記』の原文や研究論文を手がかりに、古代日本人がことばをどのように捉えていたのかを、史料から確認できることと後世の解釈を分けながら読み解きます。


響きを、未来へ。——やまとことばまつり2026
「口伝」と聞くと、私はつい、一子相伝のようなものを思い浮かべてしまいます。
大切な教えや秘伝を、外に漏らさないように、人から人へ伝えていく。
そんなイメージです。
ところが、「やまとことばまつり2026」の対談において、林英臣先生は全く違う見方を示してくださいました。
口伝には、「音を残す」「響きを残す」という意味もあったのではないか。
このお話を聞いたとき、私は、はっとしました。
文字なら「意味」は残せる。
だけど、どのような音で、どのような響きで語られていたのかは、文字だけでは残せない。
だから、人の声から人の声へ伝えていく。
そうだとすれば、私たちが今、大和言葉を声に出し、古事記を読み、次の人へ伝えようとしていることは、はるか昔から続いてきた「響きを伝えていく営み」の延長にあるのかもしれない。
そんな新たな気づきを得たのでした。
8月19日読了時間: 10分


「ま」と「み」は何が違う?――やまとことばの「マ行」から音の意味を読み解く
「ま」。そして、「み」。
ゆっくり、声に出してみてください。
どちらも、いったん唇を閉じてから発する、同じマ行の音です。
けれども、響きの印象は少し違います。
「ま」は、どこか大きく開いていく。
「み」は、内側にあるものが、いきいきと動き出していく。
やまとことばの音義では、「ま」と「み」は、どちらも「本質」に関わる音として読み解きます。
ところが、同じ「本質」でも、その意味するところは同じではありません。
「ま」が表すのは、真理としての本質。
「み」が表すのは、そのものの内に宿る、実質としての本質。
なぜ、同じマ行の二つの音に、このような違いが生まれるのでしょうか。
8月18日読了時間: 9分


朝日新聞「ことば係」で、やまとことばの「ま」についてお話ししました
記事では、記者の方から「唐突に好きな言葉は何か」と聞かれ、迷わず「ま」と答えたことから話が始まっています。
私たちは日常の中でも、
「間(ま)をとる」「間がいい」「間に合う」
など、「ま」という言葉を自然に使っています。
記事の中では、私から、
「ま」が、空間を示す言葉であるとともに、時間も表すのが面白い
というお話をしました。
8月18日読了時間: 2分


折口信夫は「言霊」をどう考えたのか?―「一語一語に霊が宿る」という理解を問い直す
「日本人は昔から、一つ一つの言葉に言霊が宿ると考えてきた。」
言霊について語るとき、そんな説明を耳にすることがあります。
私自身、やまとことばの一音一音の意味を学び、名前を読み解く活動をしているため、折口信夫の言霊論には以前から強く惹かれてきました。
そして以前この記事を書いたときには、折口の言霊観と、私が学んできた「やまとことば音義学」との間に、かなり直接的なつながりがあるように考えていました。
けれども、改めて折口自身の文章を読み直してみると、そう簡単には結びつけられないことが分かりました。
むしろ折口は、
「一語一語に精霊が潜んでいる」と考えること自体を、明確に退けています。
これは、やまとことばの一音一音を読み解いている私にとっても、無視してはいけない重要な指摘です。
では折口信夫は、「言霊」をどのようなものとして考えていたのでしょうか。
そして、その考え方は、やまとことば音義学とどこが重なり、どこが異なるのでしょうか。
折口自身の文章を手がかりに考えてみます。
8月14日読了時間: 8分


「言霊の幸はふ国」とは?『万葉集』に残る三つの「言霊」を読み解く
日本は、「言霊の幸はふ国」である。
言霊について調べていると、よく目にする言葉です。
「日本では昔から、言葉には力があると信じられてきた」「良い言葉を口にすれば、良いことが起こる」
そんな説明とともに紹介されることもあります。
けれども、「言霊の幸はふ国」という言葉が実際にどのような場面で詠まれたのかを『万葉集』まで遡ってみると、少し違う景色が見えてきます。
実は、『万葉集』の中で「言霊」という語が確認できるのは、わずか三例です。
奈良県立万葉文化館と國學院大學のデータベースは、ともに巻5・894、巻11・2506、巻13・3254の三例を挙げています。
しかも、その三つは同じ場面ではありません。
一つは、危険な海を越えて唐へ向かう人の無事を願う歌。
一つは、恋の行方を占う歌。
そしてもう一つは、旅立つ人に「無事でいてほしい」と言葉を送る歌です。
たった三つの用例を、その文脈ごと丁寧に読んでみると、「言霊=ポジティブな言葉で願いを叶える力」という現代的な説明だけでは捉えきれない、古代のことば観が浮
8月14日読了時間: 10分


言霊とは何か?古事記・万葉集から読み解く日本人の言語観
「言霊(ことだま)」という言葉を聞くと、
「口にした言葉には力があり、言ったことが現実になる」
という意味を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
「ありがとうと言えば、よいことが起こる」
「悪い言葉を使うと、悪いことを引き寄せる」
現代では、こうした意味で「言霊」が語られることもあります。
けれども、古い文献をたどっていくと、もう少し複雑で、興味深い世界が見えてきます。
実は、『古事記』には「言霊」という言葉そのものは出てきません。
では、なぜ『古事記』と「言霊」は結びつけて語られてきたのでしょうか。
この記事では、『万葉集』に残された「言霊」の用例を確認したうえで、宗教学者・岸根敏幸氏の研究論文「古事記神話と言霊信仰」を手がかりに、『古事記』の神話に描かれた
「ことばと現実との関係」
を考えてみます。
8月14日読了時間: 11分


「間(ま)」は、なぜ時間と空間の両方を表すのか?――やまとことばから考える日本人の時空観
「間(ま)」という言葉を、私たちは日常のさまざまな場面で使っています。
たとえば、
「間取り」といえば、空間のこと。
「間合い」といえば、人や物との距離。
ところが、
「束の間」といえば、短い時間を意味します。
同じ「ま」という一音が、空間にも、時間にも使われている。
普段は何気なく使っていますが、よく考えてみると不思議なことです。
なぜ日本語では、時間と空間という異なるものを、同じ「ま」という言葉で表してきたのでしょうか。
今回は、やまとことばの「ま」を入口に、日本語の中にある「時間と空間」の捉え方について考えてみたいと思います。
2025年11月18日読了時間: 7分


「名前に響く創世の言霊」——『私の神話を語る会』に登壇しました
10月5日、東京都調布市にある映像シアターで開催された『私の神話を語る会 〜時空を超えて繋がるもの〜』に登壇してきました。 タイトルは「名前に響く創世の言霊」。 驚きや感動の息遣いを、そのまま響きにした自然発声音―― やまとことばの一音一音の響きには意味が宿っています。 江戸期に発展した国学の学者たちの学統を丁寧に継いだ音義の探究から読み解くと、一説には1000年以上もの間、十分に理解されてこなかった『古事記』冒頭に並ぶ御神名が、じつは宇宙の創世から始まる壮大な物語を語り出すことが見えてきます。 御神名は「神の姿」ではなく、作用や働き=役割や使命を表していたのです。 そして同じように、私たちの名前を読み解くと――そこにも人生における役割や使命が浮かび上がってきます。 自分の名前の響きを今一度しっかりと受け止めることは、今この時代に日本に生まれてきた自分の役割を全うして生きることにつながる。 そんな“響きの旅”を、20分ほどのスピーチでご一緒してまいりました。 講演会、鑑定会などイベントへの出演も承ります。お気軽にご連絡くださいませ。
2025年10月6日読了時間: 1分
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