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【特集|言霊を読み解く】
「言霊」とは、本当に「口にしたことが現実になる」という意味なのでしょうか。
『万葉集』『古事記』の原文や研究論文を手がかりに、古代日本人がことばをどのように捉えていたのかを、史料から確認できることと後世の解釈を分けながら読み解きます。


「見る・観る・診る・看る」は、なぜ全部「みる」?――「み・る」を一音ずつひらく
空を見る。 映画を観る。 医師が患者を診る。 子どもの様子を看る。 漢字は違うのに、声に出せば、どれも同じです。 「みる」。 私たちは普段、あまり不思議に思いません。 でも、よく考えてみると、 映画を「観る」ことと、医師が患者を「診る」ことは、まったく違う行為に見えます。 それなのに、なぜ日本語では、どちらも「みる」なのでしょうか。 そもそも「みる」とは、単に目で何かを捉えることなのでしょうか。 今回は、古い日本語の「みる」を辞書や古典から確かめ、そのあとで、 み・る という二音を、やまとことばの音義からひらいてみます。 「みる」は、「目で見る」だけではない まず、辞書を開いてみます。 『精選版 日本国語大辞典』では、「みる」は、 見・看・視・観・覧 などの漢字で表される一つの動詞として扱われています。 そして、その意味は驚くほど広いものです。 目で物を捉える。 眺める。 見物する。 物事を判断する。 悟り知る。 調べる。 診断する。 文字を読む。 経験する。 人と会う。 人の世話をする。 現代の『デジタル大辞泉』にも、見る・観察する・判断する・
9月3日読了時間: 10分


「きく」とは、耳で聞くことだけ? ―「き・く」を一音ずつひらく
私たちは普段、「音をきく」「話をきく」と何気なく言います。
けれども、大和言葉の「きく」をたどっていくと、それは単に音が耳に入ることだけを意味しているのではありません。
「聞く」「聴く」「効く」。同じ「きく」という音で表される言葉の奥には、何かを強く受け取り、自分の内側にまで届かせるという世界が見えてきます。
9月1日読了時間: 20分


「みどりの黒髪」は、なぜ緑色ではない?――「み・ど・り」を一音ずつひらく|ことばをひらく
現代の私たちが「みどり」と聞いて、最初に思い浮かべるのは、おそらく「緑色」です。
AIも、私たちが現代で使っている大量の言葉を学習しています。
だから、
「みどりの黒髪」=「greenの黒髪」
と受け取ってしまったとしても、不思議ではありません。
けれど日本語には、
「みどりの黒髪」
という表現があります。
緑色に染めた髪という意味ではありません。
辞書では、
黒く、つやのある美しい髪
と説明されています。
では、黒い髪を、なぜ「みどり」と表現するのでしょう。
そもそも、私たちが知っている「みどり」は、本当に「色」だけを表す言葉なのでしょうか。
一つのやまとことばを、少し奥までひらいてみます。
8月28日読了時間: 10分


天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)とは?――『古事記』原文と「アマ・ミナカ・ヌシ」から読み解く最初の神
『古事記』を開くと、最初に現れる神は、天照大御神でも、伊邪那岐神・伊邪那美神でもありません。
最初に記されるのは、天之御中主神です。
現在は一般に、
アメノミナカヌシノカミ
と読まれています。
この神様は、
『古事記』の一番最初に現れるにもかかわらず、その後の神話で華々しい物語を演じることはありません。
国を生むわけでもない。戦うわけでもない。誰かに命令する場面が描かれるわけでもない。
ただ、天地のはじまりに現れ、身を隠します。
なぜ、『古事記』はこの神から始まるのでしょうか。
そして、
天・御中・主
という御神名には、どのような世界観が表されているのでしょう。
これまで「読みもの」では、
「アマ」
そして、
「ミナカ」
という二つのやまとことばを見てきました。
今回はそこに「ヌシ」を重ね、いよいよ『古事記』最初の御神名を、ことばの音から読み解いてみます。
8月21日読了時間: 10分


「ミナカ」とは何か――「ナカ」「マナカ」の奥にある、やまとことばの「中心」
イメージ_アマノミナカヌシノカミ 「中心」と聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。 円の真ん中にある一点。部屋の中央。あるいは、組織の中心となる人。 私たちはふつう、「中心」を全体の真ん中にある場所として考えます。 けれど、やまとことばの世界観から「中心」を見つめていくと、もう少し違った姿が現れてきます。 その鍵となる言葉が、 「ミナカ」 です。 「ナカ」があり、「マナカ」があり、そのさらに奥に「ミナカ」がある。 そして「ミナカ」とは、ただ真ん中にある一点ではなく、そこから全体がまとまり、つながり、働いていく根本的な中心として捉えられます。 なぜ、そのように捉えられるのでしょう。 今回は、 ミ・ナ・カ という一音一音の響きから、「ミナカ」という言葉の奥にある世界観をたどってみます。 『古事記』は「ミナカ」から始まる 「ミナカ」を考えるうえで、まず見ておきたいのが『古事記』です。 その冒頭、天地が初めて現れたとき、高天原に最初に成った神として記されるのが、 天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ) です。 名前のなかに、 「御中(ミナカ)」 があります
8月21日読了時間: 12分


「アマ」とは何か――やまとことばの「マ」から考える、時間・空間・宇宙
では、「アマ」とは何なのでしょう。
辞書をひけば、「天」「空」と説明されています。
ところが、やまとことばを一音一音から読み解いていく音義の世界では、もう一歩踏み込み、「アマ」を宇宙そのものを表す言葉として捉えます。
その鍵になるのが、
「マ」
という、たった一つの音です。
「マ」を追っていくと、私たちが普段まったく別のものとして考えている「時間」と「空間」が、不思議なところでつながり始めます。
8月20日読了時間: 8分


響きを、未来へ。——やまとことばまつり2026
「口伝」と聞くと、私はつい、一子相伝のようなものを思い浮かべてしまいます。
大切な教えや秘伝を、外に漏らさないように、人から人へ伝えていく。
そんなイメージです。
ところが、「やまとことばまつり2026」の対談において、林英臣先生は全く違う見方を示してくださいました。
口伝には、「音を残す」「響きを残す」という意味もあったのではないか。
このお話を聞いたとき、私は、はっとしました。
文字なら「意味」は残せる。
だけど、どのような音で、どのような響きで語られていたのかは、文字だけでは残せない。
だから、人の声から人の声へ伝えていく。
そうだとすれば、私たちが今、大和言葉を声に出し、古事記を読み、次の人へ伝えようとしていることは、はるか昔から続いてきた「響きを伝えていく営み」の延長にあるのかもしれない。
そんな新たな気づきを得たのでした。
8月19日読了時間: 10分


「ま」と「み」は何が違う?――やまとことばの「マ行」から音の意味を読み解く
「ま」。そして、「み」。
ゆっくり、声に出してみてください。
どちらも、いったん唇を閉じてから発する、同じマ行の音です。
けれども、響きの印象は少し違います。
「ま」は、どこか大きく開いていく。
「み」は、内側にあるものが、いきいきと動き出していく。
やまとことばの音義では、「ま」と「み」は、どちらも「本質」に関わる音として読み解きます。
ところが、同じ「本質」でも、その意味するところは同じではありません。
「ま」が表すのは、真理としての本質。
「み」が表すのは、そのものの内に宿る、実質としての本質。
なぜ、同じマ行の二つの音に、このような違いが生まれるのでしょうか。
8月18日読了時間: 9分
そして、もっとも身近な「やまとことば」は、
自分の名前です。
私たちは、生まれてから何度も何度も自分の名前を呼ばれ、その音とともに生きています。
やまとことば姓名鑑定では、その名前を一音ずつ読み解きながら、自分の持ち味や役割を見つめていきます。
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